川風たより 第14号 2024年9月

第1部「晴海フラッグ現地ツアー」

 8月4日区議会報告と研修、そして支援者の交流を兼ねた区政報告会を晴海地域交流センター「はるみらい」で開催した。今回の報告会は「晴海で学ぶグリーンニューディールの可能性」のタイトルで2部構成とし、第1部「晴海フラッグ現地見学ツアー」そして、第2部「区政報告会&環境と経済の両立 積極財政とグリーンニューディールの可能性」として、講師にれいわ新選組参議院政策委員長谷川ういこ氏を招いて開催した。

 第1部晴海フラッグ現地見学ツアーは、30分間の座学による背景説明を行い、もともと晴海フラッグがどういう場所であったかを共有。ここは都有地であり、国際展示場として長く使用されてきた経緯やフェリーターミナルとして、そして埠頭公園として使用されてきたことを説明した。しかし、2013年に2020東京オリンピックの開催が決まり、晴海に選手村が建設されることが決まる。周辺の地価相場から算出するとなんと92%値引きでの販売が決定。しかも、まだ手付金を払っただけで、最後のタワーマンションが完成するまで土地代は支払い猶予、固定資産税も公有地扱いで減免、街区の整備は全て東京都が行うなど、至れり尽くせりの大盤振る舞い。全てこれ都有地で、都民の税金で行われている。また、この街は水素燃料電池によるエネルギー実験地域でもある。その整備も全て東京都負担だ。説明後は1時間かけて晴海フラッグを徒歩で1周し現状を参加者と共有した。この計画がいかに特定の民間企業に有利な条件となっているか調べれば調べるほど理解できるほどひどいものだった。東京都はこの計画の主幹企業である「三井不動産」と「三井不動産レジデンシャル」に14名もの幹部職員を天下りさせている。


第2部「区政報告会&環境と経済の両立、積極財政とグリーンニューディールの可能性」

 第2部は区政報告会からスタート。第2回定例会で行なった「一般質問」の概要と、「ガザでの停戦を求める意見書」の採択に関する説明、区政全般の報告を行なった。「一般質問」では①能登半島地震を踏まえた災害対策の拡充、②転売ヤーが跳梁跋扈する晴海地域の現状に関する中央区の対応について問うとともに築地再開発の見直しを提言、③地方自治法改正に関する区の対応の3点(川風たより13号に詳細記載)。会場から「ガザ意見書」は採択に至る背景を宣伝をした方が良いとの意見が出され、全く同意と回答した。

 その後「環境と経済の両立 積極財政とグリーンニューディールの可能性」のテーマで長谷川ういこ氏の講演会に移行。長谷川氏は日本経済の現状分析から世界経済の展望、そして日本のこれから取るべき政策まで幅広く講演。気候変動危機に関しても、3.11を経験したまさに日本こそが脱原発・再生可能エネルギーのトップランナーとして世界に打って出なくてはいけなかったはずなのに、全く政策が逆に向かってしまった。脱原発で廃炉技術の確立をしなければならなかったところが、新型炉の開発に舵を切っている。れいわ新選組を中心とした政権交代によってしか政策の転換は期待できない。このような内容であった。会場からたくさんの質問が出され、長谷川氏は一つ一つ丁寧に回答した。

 第1部定員15名に対して20名、第2部も定員35名に対して30名の方々にご参加いただき、大盛況のうちに報告会を終えることができた。中央区の状況に心を寄せるみなさんがいてこそ、区議会議員としての役割が果たせることを実感しながら報告会を終了した。

能登半島視察報告

 7月22日、ボランティア団体主催の能登半島地震バスツアーに参加するため、金沢へ。ツアーは23日なのだが、金沢駅出発が朝7時なので前泊のためと、今回のツアーではいけない輪島市の様子を見に行こうと北区の佐藤つかさ区議と相談し、22日に金沢に入った。レンタカーで能登の海岸線を見ながら北上するが輪島市が近づくにつれ道路状況が悪化。片側通行や路肩崩落など被害の大きさを実感。輪島市では区役所を表敬訪問し、早速「朝市」の被害状況を確認し現地へ。市役所付近に車を停め徒歩で朝市まで行くが、至る所に倒壊家屋や半壊の住宅が点在し、7ヶ月経過しても、ほぼそのままの状態で放置されているところが多数。そして朝市エリアは一面の焼け野原で、重機がわずかに稼働し撤去作業をしていたが、広大な面積でありこの台数ではとても処理しきれないように見受けられた。夕方に髙橋足立区議、ふうさわ台東区議と合流し、バスツアーの事前説明会に参加。そこでは珠洲原発計画のドキュメンタリーを鑑賞し、原発がどうやって推進されたのか、住民はどうやって計画を拒んだのかなどを知った。

 翌朝、バスツアーに出発。能登空港から珠洲市へ入り、原発予定地だった寺家地区、高屋町、珠洲原発反対運動の中心の一人だった塚本さんが住職を務める倒壊した寺の中で説明を聞き見学させていただき、海岸線が4m近く隆起した黒島漁港などを見学し金沢に帰着した。全般としてやっと仮設住宅が整備され始めたが、付近に商店もない為、生活は困難を極めている様子で、奥能登は上水道こそ復旧したが下水道が未だ復旧せず、トイレも使用できない状態が7ヶ月間も継続しており、住民には諦めムードが広がっている。親族を頼って金沢市など都市部に移住したりする方々も多い。地震発生からすでに7ヶ月が経過するが、ここまで復旧が進まない災害も例を見ない。その原因の一つは、やはり機材の不足と作業員の不足にあることは明らかである。大手広告代理店が支配する日本の大手メディアではこの問題を追求する動きは極めて鈍い。せめてもの救いは、20年前住民に力によって珠洲原発計画がストップすることができたことなのではないだろうか。


8月15日ソウル訪問報告

 8月15日、韓国ソウルを訪問した。日本では「終戦の日」とされているこの日は韓国では「光復節」とされている。その日のソウルの状況を直接見たいと思い、また南北分断の最前線である38度線の訪問が目的であった。初めて訪問したソウルはまさに大都市。交通網も発展し、どこに行くにも地下鉄でなんなく移動が可能である。駅の日本語表記も完備しており、ハングルがわからなくても大丈夫。街は活気づいていて、まさに経済成長著しい韓国といった空気を感じた。すでに一人当たりGDPで日本は韓国の後塵を配しているが、活気と人々の表情を見ればその差は歴然。今回の旅は優しく親切な人々に大変多く出会うことができた。また、在韓米軍についても認識を深めることができた。韓国には28,000人の米軍が駐留しているが、日本にはなんとその倍56,000人が駐留している。日本と韓国の2カ国で84,000人の軍隊を維持し、極東の軍事的緊張を高めている米軍。東アジアの平和を今こそ考える必要があるのではないだろうか。東アジア非核地帯構想や日中韓の交流を基礎にした相互支援を今こそ実現させるべく、中央区から草の根交流を継続していきたい。

編集後記

 連日テレビをジャックし続ける自民党総裁選挙。そのおまけみたいに少しだけ触れる立憲民主党代表選挙。統一教会との不適切な関係もなかったかのように、4年間で14名もの逮捕者を出していることなど一切なかったかのように、そして90人近くの国会議員が3年間で何千万円もの裏金を受け取り収支報告書に記載すらしていなかったにも関わらず我が物顔で世間を闊歩する姿。憤りを禁じ得ない。

 43歳への看板の付け替えで国民の生活が良くなるようであれば、もうとっくにそうなっている。まさに真逆の今の日本。真実を見極める目が有権者にも求められている。

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