【特集】「日本橋中学校建替問題」再検証
2022年9月5日区議会区民文教委員会で突如示された日本橋中学校建替計画。多くの区民が未だその全容を知る事のないまま事態は着々と進行している。浜町公園近隣住民には仮校舎が建設中であることはよく知られているが、そもそも日本橋中学校の建替はなぜ必要なのかという問いには納得のいく説明がなされたとは言い難い。2021年2月( 計画発表のわずか1 年半前) に公表された学校の建替や改修工事を計画する「中央区学校設備個別施設計画( 以下『施設計画』)」では、日本橋中学校の建替は計画にすら上がっていない。そもそも施設計画は公表後10年間の学校施設の改修予定をまとめたもので、これは「中央区公共施設等総合管理方針」に沿って運用されると記されている。中央区の公共施設は原則70年使用することになっているのだが、日本橋中学校は竣工からまだ50年しか経過していない。教育委員会の言い分はこうだ。「中央区は現在人口増加の最中にある。日本橋中学校も試算すると令和11年(2029年) には598名もの生徒が学ぶことになる。教室数も足りなくなるし、給食設備も500食までしか供給出来ない」2022年9月 5日区民文教委員会での主張である。果たして本当にそうなんだろうか。
『日本橋中学校の生徒数が増加する』は本当なのか?
では、中央区がいう「生徒増加」の実態を見てみよう。資料1は日本橋中学校生徒予測数の推移である。生徒実数は令和6年度で384人と前年・前々年度より減少している。建替えの根拠とした令和4年度推計では410人、その差は26人。そして各小学校の在校生徒数(資料2) を見てほしい。確かに6年生と1年生の比較で277人の増加が見られるがこの多くは晴海エリアでの増加である。注目は生徒が増加し始める3年生と1年生の生徒数の差である。その差はわずか9人。今年入居が始まるタワマンはやはり晴海・勝どきエリアが主だ。実際、中央区の予測も令和6年の予測は日本橋中学校建替を提起した2022年9月の予測から大幅に少なくなっている。自ら建替えの根拠とした「生徒数が500人を超える」ことすらないと予測しているのだ。わずか2 年の間にこんなことがあるのだろうか。建替えの最大の根拠とした「生徒数の増加」、「500人の生徒に給食を提供できない」という主張は、2021年の施設計画では全く課題にされず、2022年の区民文教委員会に突如キャパオーバーの説明がなされ、建て替えに向け議会の承認を得た2年後には、建替えの根拠すら無かったことにしてしまう。こんなことがあるのだろうか。いや、あってよいのだろうか。
【今月のコラム】日本橋中学校を建て替えたい本当の理由は何か
日本橋中学校の建替に関し調査したところ、「生徒数の増加」、「提供給食数の限界」この二つを根拠として建替を計画し、議会での承認を経た。しかし、今その前提である根拠が極めて曖昧なものであることが明白となった。建替にはもう1点の理由が付されている。それは現在の日本橋中学校が、隣接する千代田公園の敷地を大幅に侵食していることを挙げ、日本橋中学校の改築は千代田公園の再編整備と合わせて行い公園の魅力向上を図るとしている。しかし、日本橋中学校の教育環境を向上させるのであるならば、千代田公園を廃止して、その敷地も日本橋中学校とするのが本来ではないのだろうか。
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今月の活動写真
日本障害者協議会新年会
シーティングセミナー
年末街頭宣伝活動
新春トルナーレ街宣
成人式街宣
日本橋消防団始式
恒例トルナーレ街宣
特別区議会議員講演会「都市防災」
地方議員トークイベント
編集後記
日本橋中学校建替問題特集号、いかがでしたか。この問題は行政が「自ら決めたルールを守らない」「根拠が曖昧な予測を作り上げる」など信じがたい行為を目の当たりにしています。しかし、国を見れば「議事録を改竄する」「数字を捏造する」など見慣れた光景です。教育環境を改善することに反対する区民はおそらくいないでしょう。本来は私も大賛成です。しかし、根拠を歪めてまで建替なければならない理由とは一体なんでしょうか。私には、開発こそが行政の使命と信じ、開発する理由を探し続ける幹部が区政をコントロールしているように見えています。この問題、適宜勉強会も開催しています。ぜひご参加ください。
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